評価:
社会がどう進んでいくか、
わりあい興味がある。
本書には、
大きく3つの概念が提示されている。
ひとつは、進歩史観という概念。
完成された理想的社会を想定し、
そこから逆算していく考え方である。
啓蒙思想は、こちらに該当するし、
キリスト教世界観の世俗化だという説もある。
(神が宇宙を創造し、そこで神の計画を実現していく)
ふたつめは、進化の思想である。
環境に適した生物が生き残っていくというダーウィンの
生物学的見地を、社会生活に応用した考え方である。
みっつめは、歴史的発展の概念である。
一定の歴史の段階の中に内在している、ある契機が発展して
次の段階が生まれてくるという考え方。
たとえばマルクス主義的発展史観では、封建社会の中に
資本主義を育む因子があって、それがしだいに伸びて、
封建制を内側から崩していって、結局、資本主義社会になる。
当方は、クリステンセンの「イノベーションのジレンマ」を
思い浮かべてしまいうのだが、こちらは、理科系の発想かも知れない。
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