カタロニア讃歌(読了)
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評価:
ジョージ・オーウェルの『カタロニア讃歌』を読了した。ずいぶんと時間がかかった。戦線の様子、自身の負傷後の冷徹な観察が、僕には何故かユーモアに感じられた。自分の生死を冷徹な目で見た人、というと、正岡子規と夏目漱石(修善寺の大吐血)を思い出すが、こちらには風刺的な印象はない。そのことを考えると、冷徹さとユーモアは関係があるとは一概に言えないのだろう。 本書では、戦線を実際に見ないで、遠く離れたオフィスで書かれた記事が、いかに間違っているか、あるいは、政治的な思わくから意識的に偏向した記事がいかに多いか、知ることができる。スペイン内乱を舞台にした映画「蝶の舌」 にせよ、イデオロギーというのは、ヤなもんだ。