評価:
タイトルから察すると、何かに立ち向かう広告のイメージがあるが、さもあらん、本書は、戦中・戦後の広告が掲載されている本である。ぺらぺら、めくってみる。掲載されている広告は意外と暗い印象がない。一般企業が戦争にからめた広告を打っている。この違和感は何だろう? 国は恐いもの? 雰囲気がそうさせた? 戦後、国債が紙くずになりインフレになったことは有名だが、その理由を考えたことがなかった。この本を読んで、なるほどと思った。メモしておこう。「インフレの傾向は敗戦前からあったが、敗戦後は国家の統制力が落ちたことから国債の個人購入や貯蓄による資金の吸収ができなくなった。さらに政府が郡発注物質の代金を一挙に支払ったことや預金引き出しによって通貨供給量が一気に増え、日本は猛烈なインフレに襲われた。これを抑えるため、昭和21年2月に金融緊急措置法によって預金封鎖ならびに新円切り替えがおこなわれることになるが、収束させることはできなかった」
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