翻訳夜話(再読)

絵本・その他
著者村上春樹/柴田元幸

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評価
コメント
 

スメルジャコフ [2009年12月27日(日)]

評価:


改めて読んでみて、良い本だと思った。
めったに取材に応じない村上春樹の考えに触れる意味でも、
貴重である。テーマは翻訳なのだが、文章の考え方の参考になる。
ライター、あるいはライター希望者は読んだ方が良いだろうな。
以下、参考になる発言を列挙しておこう。

・ビートと、うねり、グルーヴ感(前のめりになる文章の勢い)
 が大切(P45、46)

・「美しい日本語を書こうみたいなものは捨てて、原作者の心の
 動きを、息をひそめてただじっと追うしかないんです。もっと
 極端に言えば、翻訳とはエゴみたいなものを捨てること。僕は
 思うんです。うまくエゴが捨てられると、忠実でありながら、
 しかも官僚手にはならない自然な翻訳が結果的にできるはずだと
 思うんです」(P63)

・「テキストがいちばん大事であるということ。テキストのみを読むことに  よって、その作家像とかいろいろなものを自分の想像力の中で再構築して
 いく」(P69)

・「ネイティブの人に聞くのはよくやることなんだけれど、三人聞いたら
 三通り意味が違うってことはありますよね」「それよりは、自分でとこ
 とん真剣に考えたほうが確かな場合が多いみたいです」(P76)

・「だから、僕はポール・オースターの作品をあえて翻訳しようと思わない
  わけ。なぜかというと、僕にとって翻訳するというのは、何かを真剣に
  学びとろうという作業なんですよね」(P87)

・トーンが重要(こちらは、タグボートの代表者の著書にも、頻繁に出て
 くる。トーン&マナー)


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すみません、取り乱しました。