小林秀雄対話集(再読)
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評価:
対談の中で、小林秀雄が「明治の小説は、さっぱり、おもしろくない」と言っている。ああ、すっきりした。そう言われて小生も、漱石、鴎外、藤村など、面白くないことに気づいてしまった。じつは、痩せ我慢して読んでいたわけだ。唯一、おもしろかったのは、鴎外の「渋江抽斎」だけなのだ。小林秀雄は、正宗白鳥が好きなんだな。そもそも、自然主義と言ったって、気持ちを自然に書くことは不可能で、かえって、告白することで、嘘が透けてみえる。藤村なんて、やな奴だと思うぜ。その点、正宗白鳥の感じは自然だと言うんだなぁ。