幽霊たち
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評価:
途中までは、ブラックは、ブルーのドッペンゲンガーで、 心理学的な存在だと思っていたが、 読み終えた後は、巻末の三浦雅士の、 オースターの書く不安を描いたものだという意見に、納得した。 すなわち ブラックは「物語」で、 ブルー(オースター自身)の物語を書くことを相対化しているのだろう。 村上春樹は、柴田元幸との共書「翻訳夜話」の中で、 オースターとは目指す方向が違う、と言っていた。 最近まで、重なる部分もあるような気がしていたが、 本書を読了してみて、やはり違う印象を持った。