評価:
本書を再読。将棋の話が中心だが、人生訓、ビジネス訓になる言葉も多い。世の中のぼんやりした問いに対して、学者よりも、一流棋士、解剖学者(バカの壁)の視点の方が、骨太に答えている。羽生の将棋は、アートだね。
「一局の将棋が初めから終わりの一手まで、一本の線のようになっているのだが、私には理想なのだ。その線が途中で切れてしまうこともよくあるが、本来はその線があるはずだ。将棋を指すときは、その一本の線を極力見つけられるように持っていくのである。たとえば、ある段階で「これは、こうなって、最後はこういう形で終わるのだ」と一本の線がパッと閃くときがある。その線がきれいに引けたときには、ものすごい充実感がある」
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