評価: 完本 妖星伝1
☆鬼道の巻
☆外道の巻
完本 妖星伝2
☆神道の巻
☆黄道の巻
完本 妖星伝3
☆天道の巻
☆人道の巻
☆魔道の巻
4年間にわたり小説雑誌に連載され、連載当初から話題であったらしい。単行本も全7巻、7册出版され、最終章の魔道の巻は人道の巻から遅れる事14年で出版された。完本では3册にまとめられているが、ちょっとひくくらい分厚い。しかしながら、さしたる中だるみもなく一気に読ませる。要所要所にエロ描写を挿入しているので、退屈はしないが、さすがに1册読むとぐったりする。
内容は絵に書いたような伝奇時代小説でありながら、本格的なSFであり、濃厚なエロ小説でもあるという、これまた読み終わるとぐったりする内容である。相対性理論や量子力学を背景に性行が描かれているが、フランス映画のように量子力学が快楽を求める言い訳や味付けになっているというのではなく、どちらも大真面目にストーリーの要として描かれている。ほんとうに真から疲れるエロ小説である。しかしながら、SF適な味付けではなく、実際はスターウォーズも真っ青の壮大な宇宙スペクタクルなのである。
最後までエロ時代小説だと思って喜んで読んでしまう読者も多いだろうが、誤解のないように魔道の巻が付け足されたと考えられる。作者のSFにかける執念がうかがわれる。 |