評価:
全編を通じて、気にいった文を書き抜いてみる。
まず、司馬さんの文章は、抽象的な言葉の多用、
同じ言葉の繰り返しなど、やや悪文であることに気づく。
全体を通じても、同じ内容の重複、論理の飛躍が目立つ。
人物の描き方に、かなりバイアスを付けている。
よく読むと、かなりキツい、言葉を多用している。
司馬さんは、固定概念が良くないと言っている。
かつて上手くいった方法も、賞味期間があり、
それに固執することは、良くない。
エリートの知識は、過去の産物に詳しいだけである。
(このへんは、乃木軍の参謀長、伊知地に詳しい)
立場を固守する性癖を持つ官僚も、よくない。
(このへんは、ロシアのクロパトキンなどを引き合いに
描かれている)
じつは、新しい方法を、
自分で工夫するしか、ないのである。
権威のある人、既存の知識のある人に
頼りたがるけれど、
じつは、弊害の方が大きい、とさえ言えるのだ。
司馬さんの小説は、かなり創作している部分が多いと思われる。
これを歴史の真実だと思わせがちなのが、ともすると、罪深い。
また、文明について、など、物事を俯瞰で見ることが達者なので、
小説よりも、エッセイの類いの方が、座右の書に適しているかも知れない。
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