評価:
分かりやすい解説でおなじみの池上彰と、
インテリジェンスの手嶋龍一の対談。
「モーダル・シフト」(輸送手段の転換)
「カーボン通貨」という言葉を初めて知った。
イギリスは大きなシナリオ作りが得意なこと。
(このへんは「坂の上の雲」を読んでいても、そう感じた)
海軍軍縮会議、戦略兵器制限交渉、
21世紀は二酸化炭素削減という視点は、興味深い。
また本書は、環境に関する対談なのだが、
メディアに関する留意点も語られている。
「メディアはセンセーショナルなシナリオに飛びつき、
見出しを立てる傾向にある」
メキシコ湾の原油流出事故の詳細が伝えられなかったことに触れ、
「ひと言でいえば、「伝い手」が、ニュースの重要さに
ピンときていないんですね。「メキシコ湾なんて遠いところの
話で、原油が日本まで流れてくるわけじゃない。詳しく伝えても
読者や視聴者は関心ないだろう」といった感覚です」
「拠って立つ組織に発言は影響されます。
いわゆる「ポジショントーク」になりやすいのです」
「意図的に「ポジショントーク」をやろうとしなくとも、
情報の送り手は誤ったり、伝えることが足りなかったりする。
この点も、覚えていてほしいと思います」
「ニュースの受け手は信頼できる送り手を見つけながら、
自分なりの視点を育ててほしいと思います」
(以上、池上氏の発言)
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