先駆的啓蒙思想家 蟠桃と青稜

宗教・心理・社会・思想・哲学・教育
著者/監督or主演源了圓

この本を読書記録に登録する。

読者ナンバー
パスワード (パスワードを忘れた場合はこちらから調べられます。)
評価
コメント
 

スメルジャコフ [2011年01月31日(月)]

評価:


中央公論の日本の名著「山片蟠桃、海保青稜」の解説。
とりわけ、前段は、とても有益だった。

孔子の思想は、仁という内面的道徳と、
礼という客観的文化の二つの柱から成り立つ。

前者は孟子に、後者は荀子に引き継がれている。

江戸時代の代表的な儒者としては、
前者は伊藤仁斎、後者は荻生徂徠である。

徂徠は、礼楽制度を明らかにするには、
聖人の営為の客観的表現である辞と事
(どういうことだろう?)
の科学的分析を行なう以外にない、とし、

朱子学者のように四書ではなく、
五経中心主義をとった。

また朱子の、
ひとつの価値判断からまとめた「通鑑綱目」より、
事実ばかりの、司馬光の「資治通鑑」をすすめた。

一方、理の概念を、
朱子学のような、人や天の世界に適用せず、
事物の世界に限定した。

では、徂徠以降、合理的思唯はどのように形成され、
実証主義と合理主義の結合は、どのように成されたか。

山片蟠桃、海保青稜には、その結合がみられ、
さらに言えば、その原理的解明は、
福沢諭吉や西周の啓蒙主義にまで持ち越される。

両者とも、論語や孟子を全てとはせず、
良いところだけ取り入れれば宜しいという立場である。



top
by/ ホームページ制作・グラフィック・WEBデザイン 8pweb
デザイン・DTP・ITシステム モリ
@メール・SEED (シード) モバイル電子名刺システム
WEBデザイン ことはじめ
すみません、取り乱しました。