評価:
本小説の主題は、常磐新平の解説にあるように、
「戦争でも企業でも、真剣に、真面目に生きたがために、
かえって死や破滅を招く」であろう。
もっとも、当方は、戦後のインフレの原因を知りたくて、
本小説を再読したのだが。
その原因は、P7の数行に集約されている。
「終戦後、終戦に伴う色々な事務を処理するため、
政府の支出は、著しく膨張し、民間の企業家は、
その復興のための巨額の資金を必要とした」
ちなみに、日銀には復興債と引き換えに、
巨額の通貨を市場に供給した。
またインフレ対策としては、P50を参照にすべし。
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