月と六ペンス
この本を読書記録に登録する。
評価:
読みやすい、ポピュラーな作品だと思った。 ジョナサンやサイデリアといった感じ。 ただ、村上春樹と同様、 もっと同氏の小説を読み込めば、 分かりやすさの中の深さを読み取れるかもしれない。 作家像を描いた傑作として、 小林秀雄の「ゴッホの手紙」があるが、 何者かが天才たちに表現させている、という同じ指摘を、 モームもしている(ただし、書きっぷりは小林秀雄の方が上等だ)。 自分の直感に素直になり好きな人生を送る「月」と、 お金や出世といった現世的な「六ペンス」の比較が、 本小説の主題だろう。