評価:
前作の「海辺のカフカ」に比べ、イマイチ、のめり込まなかった。
「地獄の黙示録」のラストシーンで、
カーツ大佐が殺され、次の王様の出現を示唆する有名なシーンがある。
これは、フレイザーの「金枝篇」にインスパイアーされたと言われる。
本作品は、「金枝篇」とオウム真理教をフォームとして借りて、
村上春樹の無意識のストーリーが定着していった感じがする。
婦人警官のあゆみの心理の洞察は鋭いと思うし、
「Book 2」最後の章の、天悟が昏睡状態の父親に自分の
これまでの人生のストーリィを聞かせるシーンは、好きかな。
時間を語る章(22章)は、
ベルクソンの哲学と関係するかも知れないし、しないかも知れない。
|