瓦礫を活かす「森の防波堤」が命を守る

宗教・心理・社会・思想・哲学・教育
著者/監督or主演宮脇昭

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スメルジャコフ [2012年05月05日(土)]

評価:

◯常緑広葉樹の防災力

東日本大震災では、
海岸線に植えられたマツに比べ、

深根性、直根性の常緑広葉樹、
マサキ、トベラ、タブノキ、シラカン、ヤブツバキ、
モチノキ、シロダモなどは、被害が少なかった。

倒れ、流木になったマツは、家やクルマに被害を与えたが、
常緑広葉樹ならば、引き潮の際に林立した樹木に抱きつけば、
波は瞬間に引くので、海に流されないで済んだ人も多かっただろう。


一方、東京大空襲における清澄公園や、酒田大火の屋敷林の例、あ
阪神淡路大震災の現地調査結果で実証されているとおり、
一年中水を含んでいる常緑広葉樹は、防火にも役立つ。

◯「森の防波堤」プロジェクト


本書での著者の提案は、以下の通り。

被災地の海岸沿いに帯状にできるだけ穴を掘って、
その土に、有害物質などを除去したガレキを混ぜ、
かまぼこ状の土盛りを築く。

そして、その上に、

その土地本来の常緑広葉樹のポット苗木を植樹する。
(タブノキ、スジダイ、ウラジロガシ、アカガシなどを主木とする)

1)コンクリートは衝突した波の力を倍増してしまうが、
森は隙間があるため、津波による波及効果が高く、
津波のエネルギーを激減させる。
2)コンクリートの防波堤に比べて、安上がりで簡単にできる
3)コンクリートの耐用年数は50〜60年といわれ、
定期的に作り直さなければならない。それに対して、本提案なら、
維持管理費は不要で、地域固有の緑豊かな世界に誇れる景観となる。


植樹当初の30センメートルの苗木は、
乾燥重量が300グラムだが、成長して2トンになると、
その半分の1トンはカーボンを林内に固定してくれる。


ガレキの埋めたては前例がないと思われがちだが、
そうではない。

第二次世界大戦後の西ドイツでは、
戦争のガレキ、壊れた戦車やコンクリート片、
木くずなどを埋めて都市林として整備したし、
日本では、横浜の山下公園の例がある。

ただし、現状では、法律の問題が出てくる。

廃棄物を選別せずに、
そのまま埋めるのは廃棄物処理法に抵触する。

この問題をクリアするためには、
法改正するか、

コンクリートなど腐敗しないものを
大きさを揃えて資材として埋める方法がある。

(木くずや流木といったガレキは腐敗して、
メタンガスを発生したり、
発熱により自然発火する可能性があるため、
資材として認められない)


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すみません、取り乱しました。
新潟プロッポー