評価:
原発の被害に合あった現場と、官邸の迷走ぶりが、
取材を通して、丹念に書かれている。調査報道の良さが認識できる良書だと思う。
メルトダウンやSPEEDY関連の情報など、
当時、官僚や東京電力のプレリリースをそのまま流し、
信頼を失ってしまった大手新聞社の汚名返上といったところか。
興味深い点が、いくつかあった。
1) 国に関係することは、国→地方自治体→住民に知らされること
2) また住民は、国や地方自治体頼りであること
3) 原発事故に際して、官邸は迷走し切っていた。
当然、住民たちも、どうすれば良いか分からない状態であった。
4) 官邸は、同心円での避難を指示する。肝心のSPPEDYによる拡散予測は、
保安院、原子力委員会には、送られていたものの、官邸にはあげられていなかった。
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