評価:
オウム心理教の元信者、林郁夫氏の告白本。
オウムからの呪縛から開放された後、
どうしてオウムに帰依したか、
どのようにして地下鉄サリン事件に関わったか、
自己分析を交えながら語っています。
新見といった、教団の「鉄砲玉」は、
教祖が言うことがすべてで、思考停止状態であった。
それに対し、林氏は、
途中から教団の不自然さに気づくこともあったようですが、
インテリの悲しさと言いましょうか、自分なりに考えを合理化して、
その時々を、しのいでいたようです。
(現実を見ようとせず、自分の知識に引き寄せて、
都合の良いように、自身を納得させてしまっていました)
麻原は、やはり悪人だなぁ、と思ったのは、
林氏に悪いことをさせて、「もうお前も共犯なんだから」というふう
にして、少しづつ、悪いことに手を染めさせていった点です。
そして、最後が、地下鉄サリン事件ということになります。
林氏は、もともと純粋なところがあって。
小さい頃から、悪いことをしたことがなかったようです。
そう考えると、ある程度、子供のころは、悪い方が良い気さえします。
いま、子供たちは、優等生ぽいですね。
なので、第2のオウム事件は、
社会に内在しているような印象を持ちました。
オウム事件って、まだ総括されていませんよねぇ。
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