歴史を考える

時代小説・歴史・伝奇
著者司馬遼太郎

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スメルジャコフ [2005年12月29日(木)]

評価:


もうかる、もうからない、
という価値基準がある。

もう、ひとつ、
好き、きらい、という基準もある。

いまの日本は、だいたい、
この2つの組み合わせでできている
気がします。

好きなことをして、もうかる。
昨今の言葉で言えば、これはもう
「勝ち組」でございます。

逆に、きらいなことをして、もうからない。
これは「負け組」であります。

この本を読んで、救われるのが、
江戸時代には、原理(本書では文明とも言っている)
があったというのです。

それは、武士道です。

武士は、雨が降っても走ってはいけません。
道の角を曲がるときは、直角でなければなりません。

これって、「もうかる/もうからない」「すき/きらい」
とは、関係ない原理です。

貧乏で、嫌いなことをやっていたにも関わらず、
江戸の武士が250年も続いたのは、ちゃんとした
原理に支えられていたからでしょう。

本書によると、この原理は、
江戸生まれが生き残った明治の中ごろまで続くのですが、
その後は、残念ながら生き絶えたそうです。

でも「勝ち組」「負け組」意外の価値も
ちゃんと作らないと、これから、大変な社会になるだろうなぁ。。。

小泉首相には、この観点がない!のであります。
いまのところ、ただ壊しているだけ。

もう、ひとつ、原理をはっきりさせておくことは、
国際化にはかかせないことらしいです。

日露戦争の行司役として、アメリカには金子堅太郎が、
イギリスには末松謙澄が行きました。

日本は貧しくて国際的に信用がなかった。
なので末松という人は、得意な英語を武器に、
日本が投資の対象になるということをサロンで言ってまわった。

金子の場合は、新渡戸稲造の「武士道」を、アメリカの
大統領・ルーズベルトに渡しました。ルーズベルとは本を読んで,
「この本で日本人がわかった。アメリカ人に宣伝してやろう」
といって、国民に説明しました。

結果を言うと、成功したのは、金子だったようです。

このへんを拡大解釈すると、日本では、英語、英語と言われるけれど、
じつは、そうじゃなくって、コンセプトをしっかり作れる方が、
国際化に対応できるということです。


●経済とは違った原理が大切
●国際化には、英語よりコンセプト作りが大切

この2つを、この本から学びました。つらつら思うままに書いてみました。


































































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