評価:
シニアの気持ちや立場を知ろうと思い、
「団塊の世代」の名づけ親である堺屋氏の本を読んでみた。
この名前は、堺屋氏が 通産省鉱山石炭局に務めていた時に、
思いついたらしい。
「団塊とは堆積岩中に周囲の成分と異なる丸みをもった
塊となっている状態を指す」と定義付けている通り、
堺屋氏は、この世代は、他の世代と異質の経験と性格を
持っていると、この小説の前説で述べている。
じっさい、この小説の中でも、このことがモチーフになっている。
ボリュームも持ったこの世代が、リストラされていく様子が描かれている。
小説として見れば、二流である。落ちも、くだらない。
前説では、70年代に書かれた小説が、現在を見事に言い当てている
と自画自賛しているが、これは怪しい。所々、この新版で加筆している
気がする。
当時のものと、この新版を読み比べてみたいのだが、
残念ながら、当時のものは手に入らない。
もし、そうなら小説二流、人物三流である。
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