評価:
鈴木大拙氏の「東洋の心」と、
本田宗一郎の言っていることが似ているのが、
面白いなぁ。
片や禅宗の世界的研究者、片や世界的実業家です。
以下は鈴木大拙氏の言葉。
「人間尊重は、実際、人間自重から始まるのです。
人は自重するということから、人間尊重になるのです。
人間尊敬、人間尊重というのは、なにも、むやみに他
を尊重するんじゃなくて、自分が自らを重んじることから
進み出さなけりゃならぬと、こういうように自分は考えますね。
だからして、そのものが、そのもの自身を重んずる。すなわち、
まずそのものの自由性、自主性、創造性を発揮していくように
手始めなくてはならぬ」
以下は本田宗一郎の言葉。
「私が研究所で黒くなって働いていると、世の中の人は陣頭指揮だと
いっていた。これは間違っている。私は陣頭指揮なんて悲壮感でやった
のではない。自分が好きだから、やったのである。
社長の仕事は、その企業が正常に運営しているかどうか判定し、
肌合いで感じておけばよい。そして、その上で余暇があれば、ゴルフ
の好きな人はそれに興じればよい。私の場合は機会いじりが好きだから
研究所にいただけである。二代目、三代目の社長が、やはり私のような
技術屋であるなら、私のようにやったらよい。経理畑出身の社長が
選ばれたら、普通の社長のように印鑑を押しているのもそれで良いと
思う。社長のやり方が違うのは当然である」
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