評価:
前から読みたかったが、
古文ゆえに、本棚にしまってあった「日暮硯」を
再度読んでみた。
60ページほどの本なので、
なんとか読めそうなのだが、2/3くらいのところで、
またもた挫折してしまった。
ならば、そのバックグランドを
読んでみようと池波正太郎の「真田騒動」を読んでみた。
初めて読んだ池波作品は、読みやすく、アッと言う間に読めた。
「日暮硯」の主人公である恩田木工(もっく)は、家老として、
自藩の財政の立て直しを図った人として有名で、
生まれつきの実直・倹約の人だと思っていたら、さも、あらん、
若いときは、江戸で、さんざん放蕩したようである。
木工の親父は、家老を引き継ぐと、倹約が強いられるから、
今のうちに遊ぶよう、家のなけなしの財産を木工に預け、
「思いっきり遊べ」と言ったそうである。
このあたり、
若いとき遊郭に入り浸っていた長岡藩の名家老・河合継之介を
連想させる。
大きい漢(おとこ)に育てるためには、ある時期、
思い切り遊ばせた方が良いのか知らん。
そのまま遊び人になったら
困るけれど、江戸時代の武家は「論語」を幼少から学んでいるから、
良かったんだろうなぁ。
思想的なバックボーンがない現在、木工の親父さんのようにやらせたら、
「行きっぱなし」になる輩ばかりかも。男は、若いうちに、英語より漢文を
学ばせるべきですよ。
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