雨瀟々
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評価:
生涯独身だった荷風先生らしく、 この小説の主人公も、独身である。 友人のヨウさんが妾をかこって、 浄瑠璃を習わせるのが、主な内容である。 候文や漢文が混ざっていて、 読み終えるのに時間がかかるが、 逆に、読み応えがあると言っても良い。 小説の中に、いい漢文があったので、 メモしておこう (本文中は漢文。以下は書き下し文) 車馬は僻を嫌うといえども、鶯花は貧を捨てず (郎士元「送張南史詩」) 貧は志士の節を固くし、病は高人の情を長ず (白居易)