評価:
人は、自分の得意なことでしくじると言われるが、
総理時代の橋本龍太郎も、そうだろう。
政界きっての政策通の橋本が、
政策でつまずいたのだから。
橋本政権の、いちばんの旗印は、
財政再建だった。
しかしながら、拓殖銀行や日債銀、
三洋証券や山一証券の破綻によるプレシャーにより、
いったん廃止した特別減税を、また行うという
財政再建の精神に矛盾するプランを余儀なくなれる。
もうひとつの失策は、
金融危機の対策が十分でなかったことだ。
最終的には、金融不安を払拭するために
30兆円の政府保証枠が用意されるわけだが、
それまでは、ひとつの金融機関が破綻するたびに、
綱渡りの対処をしていた。(じっさい、三洋証券はコール市場で、
デフォルトを起こしていた)
けっきょく、次の小渕政権は、政策を180度変えた
積極財政を行わざるを得なかったわけで。
もし橋本政権の施策が成功し、次に小泉政権に引き継がれていたら、
2年くらいは、改革が早まったのではないか。
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