評価:
この小説を読んでいて、ある疑問と感想が浮かんだ。
疑問点は、司馬遼太郎は、どのようにして、
このような膨大な歴史小説を書き上げたんやろう、ということ。
この点については、2つほど推測してみた。
本を書くために、資料を集めるのではなく、
戦国時代と明治維新前後の資料を膨大に集めて、そこから、
なんとなく書き始めていって、本にしていったのではないか?
それと、もうひとつ。
本書の中で、内容がダブっているところを発見したので、
ひょっとすると、構成もなく、書き進めているのか知らん。
このへんは、いつか機会があったら、
司馬遼太郎記念館(東大阪)に行って、
なにかヒントになるものを見つけてみたいと思っている。
感想は、儒教についてだ。
司馬さんは、人は概念的なことで動くのではなく、
損得関係で動くという視点があるように思う。
なので、はっきり書いていないが、
儒教は実際的でないと思っているのではないか。
渋沢栄一は、儒教は、形而上的でなく、
実際面を大切にしている教えとおっしゃっているので、
この点は、相反するような気がする。
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