陰摩羅鬼の瑕
著者 | 京極夏彦 |
イモおやじ [2007年11月18日(日)] |
---|
評価: 久しぶりに京極夏彦の長編を読んだ。あいかわらずの京極ワールドで安心して読める。しかしながら、京極ワールドの特徴である饒舌な長文だが、今回は無理やり饒舌にしている印象が終始ぬぐえなかった。読み終わって感じたのは、このいつもと違うくどい饒舌さは、物語と読者との時間を共有させるための実験であったのかもしれないということである。事件自体は最初から犯人の検討はつくのだが、その動機がわからない葛藤をが、読者と登場人物とがみごとにシンクロするといえば、そうだった。 |