流れ星が消えないうちに

小説・古典
著者橋本紡

この本を読書記録に登録する。

読者ナンバー
パスワード (パスワードを忘れた場合はこちらから調べられます。)
評価
コメント
 

がっち [2008年04月17日(木)]

評価:

大学生の奈緒子と巧は恋人同士である。
物語はこの二人の語り手が、それぞれの視点から過去、現在を行き来し進んでいく。

もう一人の重要な登場人物が加地君。奈緒子の元彼。巧の親友。
加地君はもうこの世にはいない。海外で事故にあい死んでしまったのだ。

奈緒子と巧は恋人同士で、仲もよいが、二人の心の中にはいつも加地君がいる。しかし互いにそのことは口にしない。
加地君というのは本当に真面目で、諦めるということを知らない、真っ直ぐな人物であるように感じられた。そしてそんな彼だからこそ、二人は忘れることが出来ないのだと思う。
そして二人は傷を隠しながら生きていた。

加地君が死んだとき、一緒に日本人の女の子がいたという。
奈緒子はそのことが頭から離れず、気になって仕方がない。
巧はその真相を加地君からの手紙で知っているが、奈緒子には話せないでいた。そのことで奈緒子の心が加地君でいっぱいになってしまうのが怖かったからだ。最後に巧は奈緒子に話す。真相は「加地はその女の子に誘われていた。キスもしてしまった。これ以上にならないために巧に手紙を送った」のだった。

この本で忘れてはならないのが、「プラネタリウム」である。
加地君が高校の文化祭で科学部の出し物として作った物で、奈緒子に告白するとき、奈緒子の正座である牡羊座の説明を使ったのだが、本当にロマンチックで素敵であった。裏話のような感じで、それを巧と奈緒子の友人が見ていたというのがまた面白い。
また、加地君と巧の共同作品、「流れ星マシーン」も重要だ。
相当キレイな流れ星が見えるようだが、是非見てみたい。
何を願うか悩んでしまう・・。


加地君⇒奈緒子・巧⇒(家出してきた)奈緒子の父⇒奈緒子と、巡った名言がある。
「考えるよりも動いてみれば見える物がある。状況は変わらなくても、それを見る目が変わるかもしれないから」

今将来に不安を抱き始めた私には、痛く、響く言葉だった。

今私は大学生。今しか出来ないことを、やりたいことを見つけて、どんどん「動いて」見ようと思う。


top
by/ ホームページ制作・グラフィック・WEBデザイン 8pweb
グラフィック・ウェブデザイン、DTP、ITシステム モリ
@メール・SEED (シード) モバイル電子名刺システム
WEBデザイン ことはじめ
すみません、取り乱しました。