評価:
こんなに登場人物が死ぬ小説は初めてだ。
そして、いくつかの、その描写を読んでいると、
見送る者から見た死の瞬間は、こんな感じかも知れないと思ってしまう。
おけいは、とても愛しい。
左目がつぶれ右目が細く、器量が悪いので、
誰も嫁に行けないという評判だった。
が、嫁ぎ先き見つかり、人の面倒をよく見る働き者の嫁となった。
野良仕事に疲れた足をひきずって、後から来る6つの子に追い立てられてトボトボ歩く姿を見て、かわいそうに思い、足を洗う水桶を持ってくる亭主の定平
も立派だと思った。
貧しくても、紹介された旦那様への奉公で生活できれば良いという、
両親の気持ちを裏切り、子供たちは甲州武田家の戦に加担して、
彼らは母親の、おけいまで巻きぞいにして死んでしまう。
関係ないが、小さいころ、母親から聞かされた
「勉強するとバカになる」という言葉を思い出してしまった。
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