評価:
戦前の3大争議を小説化した、
プロレタリア文学の代表作のひとつ。
舞台は、いまも小石川にある共同印刷です。
経営者側は、ストの対抗手段として、
社員全員の解雇通知を匂わせ、
新聞に新規求人の募集をしたり、
大口顧客である講談社の仕事を
間に合わせるために、労働組合から
若年労働者を引き抜いたり、
あの手この手で、労働者側の
切り崩しを図ります。
ま、結局は、
資本を持つ方が有利なわけでして。
これは、今も昔も変わりません。
ちなみに、文京区の小石川というと、
現在は高級住宅地の
イメージが強いのですが、
当時は違ったのでしょうか?
いやいや、
今も共同印刷の近くは
小さな印刷屋や製版屋が多く、
その名残はあるな。
高級住宅地は、同じ小石川でも、
高台の方ですねえ。
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