評価:
「知識資本主義」というタイトルですが、
全体としては「グローバル資本主義」を
予見した内容となっています。
一見、アメリカの思い上がりとも読めるんですが、
もう一度、気になる部分を読み返してみると、
これは、英語を日本語に訳したせいで、
きつく感じられるのではないかと、考えを改めました。
タイトルの「知識資本主義」に触れているのは、
実際は第5章からです。
まず前段になる部分で、「資産と生産を所有できるから、
モノやサービスを提供できる」と言っています。
「りんごが自分のものにならないのなら、
誰もリンゴを植えない」とも言っています。
そして、時代とともに「りんご」は変わります。
価値のある所有物が変わってくるらしいのです。
ある時は、金であったり、ある時は土地であったりして。
それでは21世紀は何が貴重かと言うと、
知的所有権であろうと著者は言っています。
もっとも、僕も含め、市井の人が「知的」を
どう「所有」するのか、というと、ちょっと見当もつきませんが。
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